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サーリセルカ(番外編) オーロラ観測

今回の旅に役立ったと思うサイトをここにまとめました。
写真もなく、レポートのようなつまらない記事ですけど、
自分たちの日記&次回(あるならいいが・・) のために残したいです。

ただ興味本位で調べたので、信憑性は保証できません。
ご興味があればぜひ専門の書籍をご参考ください。



太陽から吹かれる「太陽風」と呼ばれるプラズマの流れが
地球大気の電離層へ高速で降下する時に
大気中の粒子と衝突して発光する現象がオーロラです。
とてつもなくデカい蛍光灯のようなものです。

オーロラは高度によって色が違います。
よく現れる緑色と緑白色のオーロラは
100から150km、雲よりはるか上です。
珍しい赤いオーロラは150から200km。
なので星空撮影の要領でピントを∞に合わせればOK、
と言いたいですが、それが難しいです(^_^;)


◆中期予測(3日後のオーロラ)
太陽風の速度が速いほど激しいオーロラが期待できます。
そして太陽風はコロナホールやコロナ質量放出(CME)と関係しています。

コロナホールとは太陽の外側の大気であるコロナに見られる
周りより暗く、冷たく、密度が低い領域です。
X線で観測すると穴が開いているように見えます。
コロナホールから吹く太陽風はほかの領域から
吹く風より3倍も速いと言われています。
太陽風の速さは300~900km/s、平均450km/s、
太陽と地球の距離は1億5000万kmだから、
地球に到達するまで約3日間かかります。
なので地球に向いている方向にコロナホールが発生すれば、
3日後にオーロラが期待できるわけです。

コロナホールはNASAの観測衛星SDO(Solar Dynamics Observatory)
の観測装置AIA193の画像データから観測できます。
SDOの公式ページ:
http://sdo.gsfc.nasa.gov/
AIA193の最新の画像データ:
http://sdo.gsfc.nasa.gov/assets/img/latest/latest_1024_0193.jpg

20141020SDO_AIA193-B.jpg
写真は旅の間に保存した画像です。
出発の10日前からこれまで穏やかだった太陽の表面の左側から
コロナホールが現れ、出発の3日前にちょうど真ん中、
つまり地球に向いている方向にやって来ました。
いいぞ、いいぞ!
運よく滞在中はずっとコロナホールが現れてくれました。
最後の一枚は帰国1週間後の写真、また穏やかな太陽に。
このように、コロナホールは出たり消えたりしながら、
太陽の自転と共に回っている様子が分かります。


一方、コロナ質量放出(CME)は太陽から突発的に
プラズマが放出される現象で、 2倍以上の強い太陽風をもたらします。
ニコラスケージの映画「ノウイング」の中で、
地球を滅ぼしたのもスーパーフレアとそれに伴うCMEです。

CMEはNASAの太陽探査機SOHO(Solar and Heliospheric Observatory)
の観測装置LASCO C3から観測できます。
SOHOの公式ページ:
http://sohowww.nascom.nasa.gov/home.html
LASCO C3の最新の画像データ:
http://sohowww.nascom.nasa.gov/data/realtime/c3/512/
最新4日間のGIF動画も載っています。

20141020SOHO_LASCOC3.jpg
画像は観測初日の3日前に捉えられたCMEですが、
残念ながら放出の方向は地球に向いていないようです。


◆短期予測(1時間後のオーロラ)
太陽風が吹いただけではオーロラが発生しません。
蛍光灯のコンセントを挿しただけで、
スイッチを入れていない状態です。
オーロラが発生するには太陽風の磁場が南向き
(つまり地球磁場と逆向き)になることが必要です。
(理由については定説はなく、よく分かりません)

太陽風のデータはNASAの太陽探査機ACE
(Advanced Composition Explorer)からリアルタイムで送られて来ます。
最新の24時間分のデータ:
http://www.swpc.noaa.gov/ace/MAG_SWEPAM_24h.html

探査機ACEは高度150万kmの軌道上にあるので、
そこから観測された太陽風は約1時間後に地球に到達します。
つまりACEのデータを見れば1時間後のオーロラを予測できます。

20141021ACE_T1.gif
例えばこれは初日にオーロラを見れた時のデータです。
上から4番目の黄色いグラフCは太陽風のスピード
平均は400から450km/sですが、
600km/sを超えるとすごいことになりそうです。

一番上の白いグラフBは太陽磁場の強さ
平均5から10nTですが、3nT以下だと厳しいそうです。

そして赤いグラフAは太陽磁場の向き
0以上は北向き、0以下は南向き
つまりオーロラが出るのは赤い線Aが0以下の時です

私たちは黄色い縦線の間の時間帯で観測しましたが、
運よく磁場の向きは南と北の間を行ったり来たりしていて、
磁場の強さは7nT(南向き成分-5nT)、太陽風スピードは450km/sでした。 

20141026ACE_T18.gif
これは帰国10日後に取ったデータですが、
磁場の動きは穏やか、しかも南に向いていないので、推測では厳しそうです。

ちなみに、これらの衛星データに使われるタイムスタンプUTCは「協定世界時」で、
グリニッジ標準時GMTとほとんど同じです。
(両者の間では100年間で18秒のズレがあります)
なのでグラフを見る時はイギリスとの時差を考慮する必要があります


◆長期予測(1月後のオーロラ)
旅行計画を立てる時に役立つと思います。

太陽活動には27日の周期があります。
太陽の自転周期は27日。
一番最初のコロナホールの写真からも分かるように、
太陽は27日間隔で同じ面を地球に向けるので、
今高速の太陽風が吹いているなら、
27日後も同じような高速の太陽風がやってくるかもしれません。

なので、余裕があれば旅の数か月前から太陽の活動を注視して、
太陽の活動周期に合わせた旅行計画がいいかもしれません。
それに、新月が当たれば、もうこの上ない好条件です。



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