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ドレスデンとザクセンのスイス

Map_Deutschland_Dresden.jpgかつてザクセン王国の首都として繁栄したドレスデンはバロック様式の教会や宮殿が建ち並ぶ美しい町でしたが、第2次世界大戦の空襲で一夜にして破壊されました。
もっと不幸なことに、戦後は東ドイツ領となり、今度は共産党政権の下で長年に渡って放置と破壊され、本格的に復興が始まったのは89年、壁が崩壊した後のこと。
2015040001P1010588.jpg私たちが ドレスデン Dresden を訪れたのは冬の美しい朝でした。
それにここで、美しい町と建築だけでなく、それ以上に、復興した際の人々の努力と二度と悲劇を起こしてはならない決意を見ることができました。


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朝8時、新市街のドレスデンノイシュタット駅から旧市街に向かいます。

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エルベ川にかかるアウグストゥス橋
静かな日曜朝でした。

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朝のエルベ川
左の建物はザクセン州首相府


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エルベ川を渡って旧市街に入ると、
まず目に飛び込んで来たのはカトリック旧宮廷教会
彫刻と屋根に立つ聖人の石像がお見事。


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そしてちょっと左に曲がると、そこは
長さ101mの「君主の行列 Der Furstenzug」という壮大な壁画。
壁画といってもなんと全部マイセン磁器でできています。
1123年から1904年までの歴代ザクセン君主が描かれています。


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1945年2月13日深夜、悲劇がドレスデンを襲いかかりました。
1300機の爆撃機(800機のイギリスのランカスターと500機のアメリカのB-17)がそれほど大きくない町に4000トンもの爆弾を投下しました。
当時、殆ど軍事的施設のないドレスデンは比較的安全だと思われ、たくさんの避難民が流入していました。爆撃は正確に榴弾→焼夷弾→榴弾の順番で投下され(破壊→火災を引き起こす→消火活動の妨害)、町は4日間も燃え続けました。
これは建物の破壊というよりも人的損害を狙ったやり方で、地上では常に1500度を超える熱風が吹き、防空壕に逃げ込んでも全く意味がありませんでした。
一夜にして犠牲者は2万5千人(13万5千人という説も)にも上り、もう決着がついた終戦間際でこのような空襲ははたして意味があるのか、イギリス国内でも批判の声が上がりました。

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復興の象徴となたフラウエン(聖母)教会
建てるのに6118日もかかったのに、1夜で破壊されてしまいました。

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東ドイツ時代は廃墟のまま放置されていましたが、
1994年から瓦礫を一つ一つ元の場所に戻すという
気の遠くなるような作業で11年間かけて再建されたゆえ、
「世界最大のパズル」と言われています。
黒い部分は元々の石、白いのは新しい石です。

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頂上の十字架は爆撃に参加したイギリス空軍のパイロットと
その家族の寄付で2004年に復元されたものです。


ドレスデンを後にして、プラハ行きの列車に乗り込み、
エルベ川に沿って30分ほど走るとチェコとの国境近くに
ザクセンのスイスという美しい所があります。
暗い気分を嘘のように吹き飛ばしてくれます。

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エルベ川湖畔、無人駅のケーニッヒスシュタイン(Konigstein Sachs Schw)

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ケーニッヒスシュタイン要塞 Konigstein

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美しいエルベ川

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要塞と線路は川の西側

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反対の東側に見えるのはザクセンのスイス

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長年の侵食によりたくさんの奇岩ができています。
ザクセンのスイスと呼ばれているけど、
あまりスイスと関係がないと思いますが・・・
岩の上に見えるのは バスタイ橋 Basteibrucke

結局時間がなくて、要塞にも橋にも行きませんでしたが、
こう記事を書いてるうちにめっちゃ一泊したい気分になりました。


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コメント

No title

こんばんは^_^
素敵な所ですね
写真を見てると行きたくなりますね
建物も川沿いの景色も良いですね
今回も素敵な写真、
ありがとうございました
次回も楽しみにしています^_^

やっぱ、平和がエエなあ!

なかなかの歴史散歩。
なんで日本はドイツのように戦後の付き合いが方が
うまくいかないんでしょうかね。
特に一部の隣国と。

それにしても私の欧州のイメージは尖塔ですね。
なかなかの景色の絵柄、ロマンチックです。
そろそろヴィーナスがお出ましでしょうか?

No title

おぉ~♪
先の大戦で破壊された歴史ある建造物を復元させるなんて
素晴らしいですね~♪
( ̄▽ ̄+)♪キラキラ

No title

うーん,東京大空襲と重なってるね.
敗戦国の戦争責任は明確だけど,戦勝国の人道責任はいつ裁かれるんだろう.

夜明けに撮ったらしき,最初の4枚は圧巻だねえ.
特に路面電車を捉えた3枚目は旅人の息遣いすら聞こえてきそうな迫力で強烈に旅情を誘う.
…泊まっちゃおうかな,むふふふ.

PS 映画のお話

そうそう、忘れていました。
前回のKAZUさんのコメにissではない「sissi」の話がありました。
邦題では確か「プリンセス・シシー」だったか、3部作でしたね。
NHK BSで見たような記憶があります。
シシー役のロミー・シュナイダーがきれいでした。
そうですか、あの映画からドイツへの旅と、ね。
舞台となるオーストリアも見せてください。

ちなみに私が最初に嵌った洋画は、小学生のころに見た、
1933製作のアメリカ映画「キングコング」です。
当時は東映のチャンバラ映画主流のおり、映画を見てぶったまげたものでした。
外人の女の人って、きれいだと目覚めた女優がフエィ・レイでした。
次に嵌ったのは中学生のころ見た、1956製作のアメリカ映画「十戒」です。
チャールトン・ヘストン主演で、あの紅海が割れるシーンは
ぶったまげた2でした。
いずれも室蘭時代で、今回訪問時も思い出していました。
それ以来、洋画ファンです。

Re: No title

アイランドブルーさんへ
私たちの旅はオフシーズンに行くことが多いので、
この時も12月でした。
夏だったらもっと綺麗ですよ。
たぶん

Re: やっぱ、平和がエエなあ!

ばんぶうさんへ
戦後処理というより、
もう完全に政治的駆け引きの道具と
自国の安定のために利用されているんですね。
もうどうしようもないです。

ヴィーナスですか、
私も出したいですが(笑)
GW明けまで待たなければなりません(><)

Re: PS 映画のお話

ばんぶうさんへ
そう、そう、あの3部作です。
うちはDVDまで買っちゃいました。
なんでそんなに燃えたんだろう。
ロミー・シュナイダーも超美人ですが、
シシー本人はもっと綺麗でした。

そういえばオーストリアとハンガリーのカテゴリ
ずっと(0)のままですね、m(^_^;)m
早くアップしたいけど、なかなか手が回らなくて。

「十戒」も見ましたよ。
ハマりませんでしたが(笑)

Re: No title

昆布ちゃんへ
すべては無理だけど、たくさんの建物が復元されています。
「壁のヒビ1本に至るまで」忠実に再現したと言われている
ポーランドの首都ワルシャワにも一度行ってみたいv-7
その精神は大事ですよね^^。

Re: No title

siennaさんへ
戦争末期の空襲は本当に非人道的ですね。
そして戦勝国がやったことだから
永遠に歴史から抹消されそうです。

最初の4枚、
褒めていただいてめっちゃ嬉しいです。
特に2枚目の地図、
あれ作るのに結構時間がかかったんですよ(笑)

こんにちは^^

マイセンの磁器、頂き物でうちにあります。
戦争の歴史って美談も多いですが、やっぱり悲しいですよね。平和になることは難しいでしょ~けど世界が平和になることを願いますよね。
KAZUさんの記事凄いですね、わかりやすいし読みやすいです。
海外旅行いくかなぁ~^^

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No title

これが噂に聞くエルベ川なのですね。

ドイツ語を定期的に学んでいたときに、
その響きを発音するごとに、
どうしても1940〜45年前後のイメージが
拭えなかったわたしです。

ドイツ側の手記や残された日記などを見ると、
それはそれでわからないでもないというのが、
難しいところだと感じます(ーー;

私はエヴァ・ヒトラー(署名では別名かも)の決断は好きです。

No title

jjcherryさんへ
お褒めの言葉を頂き、ありがとうございます。
実は今旅の続きをしています。
旧東ドイツは平和を取り戻したのがごく最近のことで、
特にこういう話が多いですね。
西の方はどっちかというともっと可愛らしさがあります。
日本に戻ったら早くアップしますので、また見に来てくださいね。

No title

ゆかさんへ
エヴァ・ブラウン!そのお相手は別として、
ただどこでもいそうな、恋に一筋な女の子ですね。
最後に愛する人のそばに戻ることを選択した彼女、
複雑な心境です。
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