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スコットランドの旅(20) ボービントン戦車博物館_戦争と平和

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photo by YUMI
博物館に入って、目当てのティーガー戦車はなかなか見つからず、
その代わりに、パンターを発見

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photo by YUMI
Panther(豹)G型
コストはティーガーⅠの4割、スマートで高速、しかも意外と
その75mm主砲はティーガーⅠの88mm砲よりも貫通力が高い!

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ドイツムンスター戦車博物館のPanther

個人的にはパンターが一番好きですが、
ティーガーを探さないと...

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photo by YUMI
工兵用ブルドーザーの前でお食事中のアメリカ兵を発見
本物の食器セットで真剣に食べています!

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彼の話によるとこの日はクリスマスの特別イベントで
みんなボランティアで来ているそうです。
ラッキ~♪

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photo by YUMI
彼が博物館のことをいろいろ説明してくれたおかげで
すぐに見つかりました。
ブルドーザーのすぐ後ろにありました

猛獣に注意!
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タイガーコレクション
2017年4月から始まった2年間の特別展示
もうそろそろ終わりですね。

ホールの中央に設けられた小さな高台に立ってみると...
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どど~ん、まるで動物園




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photo by YUMI
まずは元祖のティーガーⅠ
圧倒的な火力と分厚い装甲だけではなく、
ドイツのギアとレンズの技術から生まれた正確な射撃システム、
終戦まで連合軍兵士に恐れられた戦車の一つ。

ティーガーの神話
大学時代にまとめたもので、
戦闘中に喪失したティーガーⅠ&Ⅱの700両に対して、
撃破した敵戦車は1万両以上でした。
空襲と砲撃で失われた車両も含まれているはずなので、
戦車VS戦車の戦いならキルレシオは20〜30倍?
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最終的に1355両生産されたティーガーⅠ
この車両の車台番号は250112、
つまり112両目で、かなり初期のものです。

1943年4月21日、北アフリカのチュニジアでの戦闘中に3発を被弾
負傷した乗員が脱出した後ほぼ無傷のまま、
連合軍に鹵獲された最初のティーガーとなりました。
当時のイギリス国王ジョージ6世もチュニスに視察に訪れたとか...

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photo by YUMI
その時の1発目の命中弾の弾痕
砲身そして防盾に当たり→砲塔リングが損傷→戦闘不能
さらに薄い天井が破れて、操縦手と無線手が負傷しました。

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陸軍第501重戦車大隊
131号車(=第1中隊、第3小隊、1号車)の乗員と整備員たち
1943年1月、チュニジアにて

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床に残されている履帯痕が物語っているように
これは世界で唯一走行可能なティーガーⅠ

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photo by YUMI
ティーガー131のオリジナルエンジン
650馬力のマイバッハHL210
57トンの巨体を動かすには力不足だったので、
250両目からは700馬力のHL230に変更されました。

ちなみに、このオリジナルエンジンは使用不能だったので、
ティーガー131を修復する際にはこの博物館にある
ティーガーⅡのエンジンを使っています。




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ティーガーⅠの隣は兄弟のエレファント

ヘンシェル社のティーガーⅠに対して、
競争相手のポルシェ社が提案したのは
ガソリンエンジンで発電機を動かして作った電気で
モーターを駆動させ戦車を走らせるとんでもない複雑なシステムでした。

しかしこのアイディアにより、
もっとも故障しやすい変速機をなくすことができる利点があります。

結局この案は不採用となりましたが、
審査結果を待たずに発注した90両分の装甲板を捨てるのももったいないので、
こうして誕生したのはエレファントでした。

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初陣は1943年7月のクルスク
撃破されたエレファントは僅かでありながら、
1ヵ月の間に500両以上のソ連戦車を撃破という驚異なスコアを叩き出しました。

この車両はタイガーコレクション開催の間だけ
アメリカ陸軍兵器博物館(アバディーン)からの2年間レンタルで、
後ろのパネルに輸送の様子が展示されています。

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YUMIと比べれば、その巨大さが分かります。

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photo by YUMI
戦闘室前面は200mm、操縦室前面は210mmの装甲板

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photo by YUMI
戦闘の跡が生々しく残っています。




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つぎはシュトルムティーガーのロケット砲の砲身
ドイツのムンスター戦車博物館から
本物をレンタルする予定だったらしいですが、
トラブルで借りられませんでした。

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ムンスター戦車博物館のシュトルムティーガー
ティーガーⅠをベースに18両しか製造されませんでした。
380mmロケット砲で強固なトーチカを一撃で破壊できるように
設計された市街戦用兵器でしたが、
出来上がったごろにはドイツ軍はもう相手の町に攻め込むことなんか
考えられない状況に追い込まれていました。

過去記事
ドイツムンスター戦車博物館




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ティーガーⅠの後続 ティーガーⅡ(ポルシェ砲塔)

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ティーガーⅡの71口径88mm主砲はすべての敵戦車を
アウトレンジ(敵の有効射程外)から撃破できました。
左に立っているドイツ「戦車兵」と比べるとその長さが分かります。

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最初の50両には砲塔前面の装甲が大きく湾曲したポルシェ砲塔を搭載しましたが、
砲塔下部に被弾すると跳弾して
砲塔リングと車体天井が損傷する致命傷があったので、
51両目からは直線にカットしたヘンシェル砲塔(量産型)に取り替えられました。




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ティーガーⅡ(量産型 ヘンシェル砲塔)

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ムンスターのティーガーⅡと同じく武装親衛隊第501重戦車大隊の車両です。

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ムンスターのティーガーⅡ

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photo by YUMI

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photo by YUMI
エンジンルームに着弾2発

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??????




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ティーガーⅡの車台をベースに開発されたヤークトティーガー

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photo by YUMI
128mmの主砲はティーガーⅡよりもデカい
4キロ先の敵戦車とか、小屋越しに敵戦車を撃破した伝説も残っていますが、
完成したのは終戦まじかで、ほとんどその真価を発揮することはありませんでした。

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photo by YUMI
前面の装甲の厚さはなんと250mm
事実上これを打ち抜くことは連合軍の戦車砲では不可能でした。

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しかしその一方、体重がとうとう75トンになり、
この時期のドイツの戦車開発はもう完全に暴走していました。

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photo by YUMI
エンジンルームと戦闘室の内部




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これも特別イベントの陳列

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photo by YUMI
コレクションの数はムンスターが勝っていますが、
展示はこっちのほうが凝っていますね。

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photo by YUMI
熱心にドイツStG44突撃銃(ソ連AK47の祖先)の分解を見学する本物の?戦車兵たち

ついでに少しボービントンの歴史も触れておきたいです。

世界で初めて戦車を作ったのはイギリス
しかも面白いことに誕生したのは陸軍ではなく、
ウィンストンチャーチルが大臣を務めるイギリス海軍でした。
1916年初めて実戦に投入されるとすぐにその実用性が確認され、
イギリス陸軍はボービントンで世界初めての戦車兵の育成学校を作りました。
そしてこの博物館の隣のキャンプでは今も装甲部隊の訓練をしています。

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イギリス戦車兵たちが去った後、
ドイツ軍の将校、衛生兵、そしてアメリカ兵が何かを協議中
そばの歩哨も含めて、皆さんの真剣さに感心しました。
協議の内容は牧場の羊のことかもしれませんが...(笑)

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photo by YUMI
一方、タイガーコレクションの外では
アメリカ101空挺師団の戦闘が小休止
衛生兵もぐったり

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さっきブルドーザーの前で食事していたアメリカ兵にも恋人ができたようです。
めでたしめでたし♪
ここまでやるか(笑)

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もうすぐクリスマスですね。
売店の後ろは架橋戦車

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また出てきました。
子供に悪戯したり、椅子を倒したり、売店のキャンディを勝手に食べたり...
注目の的

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食堂
チャレンジャー戦車に囲まれながら...

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ティーガービール

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売店の中はタミヤだらけ
家にまだティーガーⅡと88mm砲が眠ってることを思い出しました。

 戦車 by KAZU   フィギュア by YUMI
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左:ボービントン  右:ムンスター

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photo by YUMI
兵士募集事務所にも行ってみました。
外の騒がしさと比べたらここは一番静かな場所。

薄暗い部屋の中に「人形」が「二人」
と思ったら、左のおじさんは突然動き出して
びっくりしました~
おじさんがず~とじっとしていたから、てっきり人形だと思いました。

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いろいろ話したら、ここで貴重な(笑)10分が。
おじさんも旅行好きで、去年マルタ島に行って来たそうです。
「マルタ島には、WWⅠの時にイギリス艦隊を護衛するために
戦死した日本人兵士の慰霊碑がある、君も行ったほうがいいよ」
恥ずかしいですが、全然知りませんでした。




展示ホールに戻りましょう。
博物館に300両の戦車があり、二人は500枚も写真を撮りました。
全部載せられませんので、少しだけ
型番が分かる方はマニア同士です(笑)
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一番上はティーガーの主砲




アフガニスタンのコーナー
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第一次世界大戦の塹壕戦と毒ガスの恐怖を伝えるコーナー
すべてphoto by YUMI
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1918年8月8日
戦争終結の3ヶ月前...


短い2時間でしたが、素晴らしい博物館でした。
平和ってなんでしょう?

「歴史は繰り返す」
戦争はいやだいやだと、
そこから目を逸らして願っているだけでは、平和にはなれません。

独り言です

つづく

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コメント

ものスゴ~い

圧巻ですね。
現役の方々が見にこられるとは。
なんともはー、驚嘆するばかり。
プラモがタミヤとはさすがです。
短時間に数々の写真、これもさすがです。
おそるべしお二人の集中力を

☆☆タミヤよく組み立てました。

以前の戦車ってエアコンは付いているのでしょうか?
狭そうだし、あんまり乗りたくはないですね...。
平和、ありがたいです。
それにしてもコスプレの皆さん、気合入ってますね。
ぜひ次回訪問の際はチョットひねって武士姿でお願いします。(笑)
(椿三十郎希望)

No title

おぉ~♪
子供の頃に憧れ・・・
一生懸命組み立てたプラモデルや
リモコン(当時ラジコンは高嶺の花)の実物が、目の前に♪
( ̄▽ ̄+)♪キラキラ

大人となった今この記事を観ると、色々と気づかされることばかり。
道楽として楽しむには、ちと生々しい現実や・・・
日本の自動車界でもてはやされている『e-POWER』の原型も、ここにあったんですね。

Re: ものスゴ~い

ばんぶうさんへ
一時期2人は6畳のワンルームアパートで夢中にプラモを作っていました。
あの頃の未完成品はまだタンスの中に眠っています。
懐かしい♪

Re: ☆☆タミヤよく組み立てました。

遥さんへ
冷房と暖房はないので、
真夏のアフリカから真冬のロシアまで車内は地獄だったと思います。
今の自衛隊最新鋭の10戦車にも乗員用のクーラーはついていないようです。

武士姿ですか。
まるで「戦国自衛隊」(の逆バージョン?)ですね。
チケットは1年以内なら2回目は無料ですが(海外在住者の場合)、
なかなか行けないですね

Re: No title

昆布ちゃんへ
e-POWERとかエンジンの話は昆布ちゃんに突っ込まれるよと
YUMIが言っていましたが....
さすがです(笑)
トランスミッションはティーガーの最も壊れやすい部分だったので、
それがないエレファントに対する部隊の評判は上々だったようです。
当時とんでもない巨大なシステムも
半世紀後にこんなにコンパクトになりましたね。

No title

わぁ~~~行ってみたいですね、戦車や軍艦や戦闘機のプラモデルを作っていたころを思い出しました、実物見てみたいです。

Re: No title

中年ライダーbobyさんへ
これは15年前の作品で、
泥を塗るとか、ジオラマを作るとか、
色々と「壮大な」計画もありましたが、
あの時のまま止まっています。
再開は定年後ですね(笑)
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